「うるせーな! 外野が口出しすんじゃねーよ! これは俺と一歌の問題だ! お前には関係ない!」


カッとして怒鳴った俺に、エリカは負けじと声を張り上げる。


「じゃあその一歌をよく見てみなさいよ!」



感情的なやりとりをハラハラした様子で見守っていた一歌が、俺の視線に気づいて一瞬だけ身を引いた。

それでも、今度は視線を逸らさなかった。


まっすぐ俺を見つめてくる。



その下がった眉と、疲れた頬。

青白く、正の感情が読み取れない表情。





……なんでだよ。







……なんでそんな顔してんだよ!