「はあ?」 


突拍子もない発言に眉を寄せると、エリカは余裕たっぷりに微笑んだ。


「あんたたちの関係は、一歌に聞いて知ってんの」
 

思わず座卓の隅に目を向けた。
 
当事者であるはずの一歌は所在無げにエリカの片隅に座っている。



言ったのか。俺たちの関係を……この女に。



俺の視線から逃れるように、一歌は目を伏せる。



……そうかよ。

 
どうやら一歌の不安は、他人に相談しないと拭えないくらい強いらしい。


ため息をついて、俺は投げやりに言い放った。

 
 
「なに? モラルに反するとかって説教?」