目が覚めたら、異世界だった。




・・・・なわけないか。


でもそれくらい、世界が変わった。


気怠い身体を起こし、隣で眠る彬を見つめる。



(夢…じゃないよね。)


つい、ほっぺをつねる。

「痛い。」




当たり前か。
昨日夜のことを思い出してひとり赤面する。





(彬ちゃんと…しちゃった…。)




なにがどうしてこうなった。





と、いうのが本音だ。

イマイチこの変化についていけていない頭を抱える。




「朝から百面相か。」




「⁈」




いきなり話しかけられて飛び上がる程に驚く。




「ビビり過ぎだろ、このは。

おはよう。」



頬にチュっとキスを落とされる。



「お………おはよ…。」



恥ずかし過ぎて爆発しそう。


だってまだ裸のままだ。
お互いに。


彬の逞しい身体を惚れ惚れと眺めるのはいい。


自分のお子様体型を見られるのはツラい。



「なんだよ、後悔してますみたいな顔して。」




俯いていたら再びベッドに押し倒された。


「後悔じゃないよ!


ただ…恥ずかしいの。
彬ちゃんがお付き合いしてきたような綺麗な人達みたいにボンキュッボンじゃないから…。」




消えそうな声で伝える。




何も言わずにじっと見つめている彬を不思議に思い、彬ちゃん?と問いかける。




真面目な顔をして彬は言う。



「このは。
誰かと比べるのはやめろよ。お前はお前だから。
それと、お前は胸が小さい事を気にしてるんだろうけどな。」



そこまで言うと、身体を隠していたシーツをバサッと剥ぎ取る。


「イヤっ‼」


恥ずかしさに身体を隠そうとするが、頭上でひとかたまりに縫い付けられた腕が邪魔でどうにも隠せない。


白い肌がピンクに染まる。



「俺はスキなんだよ。
そんなお前がスキで、こうして一緒に居るんだ。
お前がいいから抱くんだ。」


「彬ちゃん…。」



サラッと赤面するようなことを彬は恥ずかしげもなく言う。



「若いとさ、胸とか顔とかあれこれ言うのかもしれないけどさ。

正直俺はおっさんだからな。

そんなことよりスキになったオンナの全てが愛おしいんだよ。」



ふわりと胸を包んでいた彬の掌がやんわりとまさぐり始める。


「あン…。」



くすぐったくて身を捩ると鼻にかかったような吐息が漏れた。




「そういうとことかさ、感じてくれてる表情とか、声とか、それが大事。

わかるか?」



半分理解出来たけど、半分は快感の向こうに飛んで行った。