歩いていくと、隅に丸まった優菜がいた。
「ちょっと優菜、…大丈夫?」
手を触れると、ぐらりと優菜の体が傾いた。
えっ?
ぬるりとした感覚がして手を見ると真っ赤な液体が手についていた。
「ゆ、うな?」
よく見ると、いつもちゃんとしまってあるはずの、果物ナイフが床に置かれている。
「おねえちゃん、こたえないとおもうよ」
後ろを振り向くと、達也が笑っていた。さっきは見えなかったけど手が真っ赤に染まっている。
ゾクゾクと寒気がして口の中がカラカラになる。
まさか…まさか。
「だってぼくが」
コロシチャッタカラ。
Fin