結果、私はギリギリ遅刻した。
「え、あの馬鹿と話したせいで頑張って走ったのに遅刻したの!?あいつ、…絞める。」
「うえ!?お、落ち着いてよ。家を出た時間が遅かっただけだから別に白川くんのせいじゃ…。」
「いや、絞めるわ。あたしの大事な大事なあおが…。」
キャラ崩壊してる!!!!
でも…絞めるってどういうことなんだろう?
まさか拷問!?
「だだだ大丈夫だって!これから遅刻しないようにすれば留年は免れるんだし…!!」
「そうよね。あおが留年なんて絶対阻止しなければね。」
ホッ…。
「あ、そうだ今日の帰り予定空けておいて。カラオケに行くわよ。」
「えっカラオケ?」

「なんで俺、ここに居るんだ…?」
カラオケボックスにある椅子に座りながら嫌そうに言った。
「人数あわせに決まってるでしょ。」
「……んなこと分かってるけどさ…。」
そんな二人の会話も耳に入らない。
「愛、隣の男性は一体…。」
誰も突っ込まないため、ナチュラルにスルーされてた人を指差す。
「あぁ。あたしの彼氏。」
「どうも。」
簡単に言ってしまったので、枯れ死ってなんだろうとか思ってしまった。
「「――って彼氏!?」」
あ、綺麗にハモった。
どうしてここに白川くんが居るんだろう…。
偶然なのか必然なのか、このカラオケ店のアルバイトをしてるらしい。
今は休憩中。
「でも愛って婚約者さん居た…よね?」
「破棄よ破棄。さて、歌うわよー!ほら、コンビニ店員、酒持って来い!」
「…俺、カラオケ店員。はぁ…ジュース持ってくる。」
「あ、私も…。」
ジュースで酔うほど愛はテンションが高いらしい。
ここは空気を読んで彼氏さんと二人にして、部屋から出た。
でもなぁ…。
「帰ってもすることないしどうしよう…。」
勉強くらいしかないよね。学生ですもん。
トホホ…。