外と変わらないくらい真っ暗な家。
帰った時に明かりがないことはいつものことだ。
バタンッ
「ただいまー。」
二階の自分の部屋の電気をつけ、鞄を机の上においた。
ベットで大の字になって寝転がる。
「はあ…疲れたー…。」
目を閉じて愛に聞いたことを思い出した。
彼の名前は白川夢希(しらかわゆめき)くん。
小さな頃からの愛の幼なじみらしく、野球部に所属。
身長178cm、体重65kg、血液型B型、肩には昨日犬に噛まれた歯型があるだとか。
これって立派な個人情報だよね…。
そして最後に言った愛の言葉が妙にひっかかる。
“夢、彼女いないんだってさ。あー…居たとしてもあいつには無理よね。クククッ…。”
なんて不敵な笑顔を浮かべていた。
一体どういう意味なんだか。
「さてと…勉強しなきゃなー…。嫌でも勉強だけはしておかないと…。」
制服から着替えて気合を入れると、勉強机に向かった。