「………チッ遅かったか」
隣から舌打ちが聞こえる。
俺はわけの分からない展開に戸惑うが、とりあえず舌打ちしたことに対して、あとで嫌みかなにかでも言ってやろうということしか考えていない。
というか、言う。
まずは手始めに女装でもさせて金髪に渡してやろう。
金魚もきっと喜ぶはずだ。(×金魚 ○金沢)
執事なんていくらでも用意出来るし、そのまま金髪の家に行けばいい。
梓がいなくなったら俺は晴れて好き勝手できるしな。
「……なにを考えておられるのですか、愁様」
ジト目で見てくる梓は、俺に探りを入れるような声で聞いてきた。
つくづく勘のいい奴だ。
「勘が鋭い奴は損をするぞ。というか損をしろ」
「何故ですか。私に不満があるのなら言ってください。直します」
「全部不満」
「……相変わらずワガママな人ですね」