~ラッシュside~

『私、美夢って言うの~
話してくれて、ありがとう
楽しかった』

そう言って、美夢は、小さな両手に
抱えていた、帽子を俺に 差し出した

『これ、話してくれたお礼
寂しくなったら空を見てね
元気になれるから…』

その時、照れくさそうに話した
美夢に…。

『美夢の笑顔は、お日様みたいだ』
って言ったんだ…。

美夢は、嬉しそうに笑っていて
俺は、恥ずかしくなって
もらった帽子で、顔を隠した

(あれから…もう5年…か
会ってみてぇな…でも今は…
会っても俺だって、分からねぇ
だろうな…)

ラッシュは、頭に被った帽子を
取って、手に持ち直した…。

その手は…動物の手に代わっていた…。