その日の夜、
私は不思議な夢をみた。


古びてボロボロになった城跡が残る草原。天井は満点の星空に覆われ、月が明るい。私はそんな孤独の暗闇の中ポツンと一人立っていた。何故か、こんな場所にきた覚えはないのに、懐かしいと思ってしまう。
そして、声だけが私の耳に届く。


レオナーーー

レオナーーー


どうして私を見捨てたの?

許さない、絶対に許さない

レオナ、あなたの世界
壊してあげるわ
私の世界のように

それともレオナ、あなたに私を救える?

歌のように、でもいまにも壊れてしまいそうな不安定な憎しみの声。けれどもその声は私の声と同じ、同一人物?それとも私の中の声なのだろうか…。
私の意図とは関係なしに私は返事を返す。




はい、と。



この夢は翌朝、記憶には残っていなかった。