私たちは、みんなからも〝公認〟カップルだった。

自分でも驚いていた。みんなにこんなに応援されるなんて・・・・・。


でも、私たちが付き合うことになったのは、母たちのせい。

すべてを涼と一緒にされていた。

旅行も、高校も、委員会も、部活も・・・・・・。


だから、お互いの関係も母たちによって作られた。

自分のことは、自分でしたい―――

そんな願いは通じなかった。


母たちが仕事の都合で海外に住むことになったら、私たちは一緒に住むことになった。

誰もいない、二人だけの空間を作られた。


涼だって、私だってずっと嫌だった。

それはわかる。

でも、別れるにしても応援されてるからしょうがない。


涼は特に嫌なのかもしれない。

何よりも私のことが大嫌いなのに・・・・・・。


一度、部屋越しに『大嫌い』と言われたことがある。

そんなの、分かってる。

無理やり付き合わされたんだから。


でも、涼は何一つ嫌だと言わずにずっと、一緒にいてくれた。

だからといって、この関係をずっと保つわけではない。

高校3年生になったら、別れるという約束を私たちはしていた。


だから、涼は私のものじゃなく、みんなのものに変わる。

付き合わなくても、一緒に住んでるし、なんか変だけど。