卒業式が終わり、帰路につこうとすると風間先輩がそこにいた。

悩むことなく歩み寄る。

「風間先輩♪」

風間先輩は、少し驚きながらこちらを見る。

「おぅ…、星華…。」

ん?元気ない?

「風間先輩…、元気ないけどどうしたんですか?」

「あはは、んなわけねぇだろ…はは…」

先輩は校舎を見上げた。

3年間通い続けた田舎の学校。
4月から都会の大学へ通う先輩は、もうここに戻ることはない。