2人そろって昨晩と同じ宴会場に行くと、すでに来ていた面々が好奇の眼差しを向けてきた。

別に、俺と陽萌が並んでいるところなんて、特別珍しくもないだろうに。



「くっついたの?」



適当に腰を下ろすと、陽萌の隣に座った今泉が不思議そうに俺を見ながら、陽萌に問う。

当の陽萌は、なぜか答えようとはしない。


昨晩のやりとりからして、これで付き合っていないとは言わせない。

だが、俺が1人で思い上がっているだけ…なのか?


ふと不安になったその瞬間。



「やーっとくっついたのねーアンタたち。」



陽萌に後ろから勢い良く抱きついた敏がニヤニヤと笑う。



「待ちくたびれたわよもうー。」

「余計なお世話だ。」



そう返すと、水を少し飲む。

隣の陽萌がぎこちなく笑った時に、気が付いてしまった。今泉の、何とも言えない表情に。


そうだ、こいつ。

陽萌が好きだったんだったな…。



「あらっ、煌ー! 煌ったら、ここよここー!」



遠くを歩く彼を見つけて、大声で呼びつける敏。



「あんまり大声で呼ばないでくれます? 恥かくの俺なんですから。」



至極当然のことを言いながらこちらに来たのは、陽萌の兄貴。