~美乃里side~
わたし小川美乃里(オガワミノリ)には友達がたくさんいます。
「友達」という名の「凶器」が。
わたしの精神も肉体をも殺してしまう「凶器」が。
わたしにはたくさんいるー・・・。
そぅ。
学校という毛皮をかぶった「いじめの場」に。
そしてわたしの戦いが始まる。
わたしは戦い続ける。
過去の自分を変えるために。
そして未来を変えるために。
わたしは絶対諦めない。
負けない。
~美乃里side~
小川美乃里(オガワミノリ)15歳 中3
わたしには1人の親友がいる。
深瀬夢生(フカセユナ)15歳 中3
わたしたちは同じ高校を目指していた。
「美乃里ー!」
「夢生?どぅしたの?」
「テスト!どぅだった?」
「まぁまぁだよー。ちょっとヤバぃかも・・・w」
「そっかぁぁ」
「夢生は?」
「わたしは英語99点だったんだぁ!」
「えっすごっ!わたしなんて61だよー?w」
「ちょっ頑張んなよ?一緒の高校行けなくなっちゃうじゃんかぁ」
「んー。坂桜学園(サカザクラガクエン)だよね!わたしには遠い存在だよ」
「そんなこと言わないで!一緒に行くって約束でしょー?」
「んーまぁそうなんだけど・・・。夢生!英語教えて!」
「美乃里、頭いぃのに英語だけはダメなんだよね・・・w」
「だめー?」
「いーよ!教えちゃるわ!w」
「やったぁぁぁw」
「早速今日ウチおいで?」
「行く行く!」
親友と同じ高校目指して。
一緒に勉強して。
励まし合って。
慰め合って。
すごく
すごくすごく
幸せだったんだ。
このときはー・・・。
~夢生side~
「ただいまー」
「おかえり夢生」
「お母さん。今日早いね」
「夢生?話があるの。リビングにお父さんもいるから」
「え・・・?」
なんだかイヤな予感がした。
なぜか美乃里の顔が浮かんだ。
「夢生、お父さんな、北海道に転勤が決まったんだよ。」
「え?」
「それでね、夢生。お母さん、お父さんを1人にできないから北海道に行こうと思うの。」
「ちょっ、ちょっと待ってよ。それじゃぁわたしはどぅなるの?」
「・・・。」
「ねぇ。どぅなるの?」
「残念だけど・・・。まだ中学生だし、1人残すなんて無謀すぎるわ。転校するしか・・・。」
「え?ヤだよ?わたし美乃里とおんなじ高校行くって約束してるもん!そのために今までずっと美乃里と頑張ってきたんだよ?いきなり転校だなんて、そんな・・・そんなことできるわけないっ!」
「美乃里、気持ちは分かるが・・・」
「分かってないじゃん!分かってないから転校とか普通に言えるんでしょ!?」
「だから・・・」
「分かってる・・・。わたしだってお父さんやお母さんと離れたくない。でも・・・でも美乃里と離れたくないの・・・」
「夢生・・・」
「美乃里に・・・美乃里になんて言えばいぃの・・・?」
目の前が真っ暗になった気がした。
~美乃里side~
ふぅ。
あと3日で試験だっ・・・。
大丈夫、大丈夫。
今まで夢生と2人で頑張ってきたでしょ?
大丈夫。
絶対、同じ高校に行くんだから。
あれ?
あそこにいるの・・・。
「ゆーな!こんなところでどぅしたの?」
「・・・」
「夢生?」
「っ!あ、美乃里?」
「なにボーっとして・・・なんかあった?」
「え?なんもないよ?」
「そぅ・・・」
「うん!わたし、先教室行ってるね?」
「あ、うん」