その数十秒間が妙にもどかしく、私は何かを誤魔化そうと、すくいかけのエビグラタンが乗っかったスプーンに手を掛けた。



「…ごめん……」


と、しばしの沈黙を破ったのは申し訳ないと言わんばかりの表情をするミユちゃんだった。


「いや、こっちこそ…急に立ったりして」


お昼休みにミユちゃんと交わした言葉はそれだけだった。



お互い、気まずい空気の中で、黙々と冷めつつあるお弁当を食べた。