「おっはよ~♪
ちゃんと来たんだぁ。
エライ、エライ(笑)」

なんか、調子狂う。¨お姉さん¨への憧れ?
「早朝に、公園に来ちゃいましたよ。
俺ら、受験生ですけど~!」


「ま、いいジャン。
キレイなお姉さんとも、お近づきになれたことだしぃ。」
広貴は、朝から全開だ。

「で、こちらが、後輩のみんな、で~す。
今日は、12人かな?
お兄さんたち、ガンバってね~☆」


この年になって、ラジオ体操!
ボランティアって言われても、恥い!
小学生は、やたらと元気そうだし~。


「すいません、遅くなりました~」
後ろから、知らない声がする。
人数、もしかして増えてくの?



体操が終わってから、
まともに先生の顔を見た。
「………。
昨日のこと、怒ってないんですね。
意外と。」


キラキラした、朝の陽射しが、彼女たちの明るさを、引き出していた。

「ねぇ、友達になろっか?」
「いいよね?先生とも☆」

涼白の女子と、先生が、手にスマホを出してきた。

「LINEで良かったら…。」
俺は、うかつにも答えていた。


小鳥の声が、公園の木々から聞こえる。
俺たちの夏休みは、まだ始まったばかりだ。


(完)