「マリア、こちらを向け」


少し、いつもと違う声に体が勝手に反応する


それでも尚伏いていると、痺れを切らしたユニ様の手が頬を滑りそっと顔を上げさせる



「なんの夢か、覚えてるだろ?」



優しく声をかけられ思わず漏れそうになる口を閉じる



「マリア?」


少し下がった声


  
「ほんとに、覚えてないんです…」



その手から逃れようと顔を引く


するとそれよりも早く、指が移動し顎を捕まれ無理やり上げさせられる



「どうして逃げる」


「っ」


私を責めるような視線に怖くなる