「そういえば夜会って言ってたけど、」


「ああ、うん。私のお披露目?」


「誰と行くの?」


「ラウ様が付いててくれるって。」



ユルの表情が曇る。



「…どうか、した?」


「いや、…なんでもない。」


「そう…。」



さらに思い悩むような仕草をする彼に不安が過る。




「そろそろ帰んなきゃ。」


「あ、うん。」


見送りにドアの前までくると、ドアのノブに手をかけたユルの動きが止まる。



「どうかした?」


「やっぱ夜会、俺と行かない?」