そのあと視線は、私から気まずそうにそらされた。 「それに、」 乱れを落ち着けるラウ様を横目にベル様はごちった。 「お前はあやつを少し卑下にしすぎだ。」 「…。」 「知っているだろ?あやつはなによりも王妃であり、妻だ。夫の名声を地に落とすような真似はせんはずだ。」 確信めいたそれに不安の色が薄くなる。 しかし、 「そこまで堕ちてないじゃろ。」 小さくつぶやかれたそれは 確信にも、願いにも 聞こえるような呟きだった。