ユニ様のお母様が、私のお母様…?
「でも…リノン様がマリア様の母親ではないという可能性だってある。この映像だけで判断するのは軽薄では?」
ラウ様のその言葉にはっと意識を取り戻す。
そうだ。これはただの記憶の一かけら。
もしかしたらお披露目の一環なのかもしれない。
…いや、
「それはどうだろうな…。」
私の気持ちを代弁するかのようにベル様が呟く。
ラウ様もうすうす気づいているはずだ。
泣いていたリノン様の表情も、
漂う雰囲気も、
リノン様を見つめるお父様の表情も、
何もないはずがないほど、愛と悲しみに溢れていた。