部屋についてからも終始無言



部屋に入ったところで手を放された私は、進むこともできずに先ほどまで強く掴まれていた腕を擦る



私の手を離した彼は椅子に座りただ押し黙っている



先に音を上げたのは私の方だった



「わ、私やっぱり戻ります」



私の声によって初めて私を見た彼


その表情から感情は読めない



「どうして?」


「どうしてって、」


本当に不思議そうに聞いてくる彼が理解できない