「あんた…」


「え?」


「面白いこと聞くな」


面白い事?



「ここに居るのは貴族ばかりだろ?」


「え…」


驚いた私を見て、少年は私よりも驚いた顔をした



「え、だってあんた…あ!ダメだ!こんなことしてる場合じゃないんだった! 」



何かを言いかけてとめた少年は何処かへ向かおうとする



「あ、ちょっと待って!」


後ろを向いてしまったその子の手を掴もうと手を伸ばす



けれど私の手がその子に届くことはなかった