ただ同時に 酷く悲しそうに 酷く哀しそうに ゆったりとした動きで 慈狼の手が彼女の頭へと延びた 160ソコソコの龍希は 185近くの慈狼からしたら 小さくて幼くて どっからどう考えても子供で だから 慈狼はこの時 自分が希を愛しく想うのは 家族の様に思っているからだと信じていた 自分を孤独から救いだし 共に日々を過ごしてくれる ザックリ言ってしまえば―― 家族なんかよりと比べ物にならないほど 近い存在