「龍希…」

幹部室の扉が開き

慈狼が入ってくる


やって来たのは慈狼のみだった



「俺ら楼狼全員

龍希の復讐の片棒を担いでやる


俺らもお前に救われたからな

お前の負担を少なくするコトができるなら」



あぁ
嬉しいね

こんなにも嬉しいコトなんだ


目頭が熱くなる


「いつまでも
一人で背負ってんじゃねぇよ」


泣きそうだよ
慈狼…
みんな…

本当に優しいよ


『あり…がっ、と』

涙を堪えたいのに
掠れた声と共にこぼれ落ちたその雫が

龍希の頬を照らし
ズボンをしっかり握りしめている手の甲に落ちる