『――っツ!!』

希が痛々しく体を折り曲げ震わせたとき
慈狼は飛び出そうとした

こっそりではなく
近くで見たかった
彼女を見守ってやりたかった





だけど…



できなかった

彼女は自分に仲間を教えてくれたのに
怖かったけれど優しくて
自分に幸せを1つ与えてくれたのに

誰にもかまってほしくない
そういう孤独が希を取り巻いていた