「マジで何なんだよ」
イラついた様に見せる狼
それでも女を優しく持っていた

しかし狼には敵が多いらしい

暫く歩くとすぐに大人数に囲まれる

「くっそ!
おい!女!起きろ」

自分一人ならまだしも、軽いとは言え人一人抱えて勝てる喧嘩があるはずもない


かといってそこらの地面に放っておいたら
そこらの浮浪者に襲われるやも知れない

女の瞼は固く閉じられていた

『…』

口からは僅かに掠れた様な吐息が漏れる