「俺を妬かせたいの?」



ものすごい勢いで連れてこられた先は音楽準備室。



私は壁と燈真に挟まれて身動きとれない...


「妬かせる?」



「またそうやって鈍感なフリしてれば見逃してくれると思った??」


整いすぎてる燈真の顔まばたきすれば触れられるんじゃないかと思うぐらいにすぐそこにある...


まつげ...男のくせになんでこんな長いんだろ...


今時はまつげ美容液なんてものが出回るぐらいなのに...


「奈音、きいてる?」



「え、あぁ、うん。」



生半可な返事しかしない私をあきれたような目で見て、壁に押し付けてる腕をさらに強くにぎった