気付いたら、俺は玄関の戸を閉めていて、

気付いたら走っていた。


慎也の家の前で足を止める。…けど、今は頼れない。
そんな気がする。


でも誰かに頼りたくて、足が勝手に進んで行く。
どこに行くかなんてわからない。


途中、慎也達とすれ違ったことにさえ気付かずに、ただ…ひたすら走った。



何分だろう。
走って、辿りついたのは…





戸野のとこだった。


なんでかわからない。

でも、俺は戸野の腕を掴んで一言、



「助けて…」

そう言った。