「…お前にはわかんない。…ずっと好きなやつがいて、でも叶わなくて…どうしたらいいのか悩んで…結果これ。…相手を傷付けることぐらいわかる。…けど、こうするしかない。…俺は欲張りだから。」

「わたしには…わからない。」

「だろ?…もう、花火も打ち上がったし慎也達んとこ行けよ。待ってるよ?」

「…はい。」


小和田くんは、後ろを向いて歩いて行った。

「あ!」

わたしは、お礼をすることを忘れていた。


「小和田くん!!」

その拍子に私はコケてしまう。

「痛い…もう…」


「…ダッセー!何やってんの~?」

「あの、これ…」

わたしは昨日作ったストラップを取り出す。

「それ、わたしが作ったんです。この間送ってもらったお礼に。」

「…うわぁー、趣味悪っ!いらねー!!」

ストラップを見ながら笑ってる。

「じゃ、いいです。」

「うそうそ。冗談!もらうよ、もらう。」


その時、大きな音と歓声。
驚いて、空を見上げる。



ハートの形した花火。

「すご…」

小和田くんも見て驚いていた。



なんかわからないけど、ドキドキ…した。