荒谷も賛成して、みんなで夜店に行く。

人込みがすごくて、みんなを見失いそうになる。

「戸野さん、大丈夫!?」

後ろからついて来た戸野さんに声を掛ける。

「うん。大丈夫です。」

そう言った瞬間、隣の人とぶつかりよろける。


ほっておけなくなって、戸野さんの腕を握り歩いた。

すごくドキドキして、無我夢中で歩いた。


クレープ屋で止まっている荒谷達に追いついた。

戸野さんの方を振り返る。


「……え?」

そこには、戸野さんじゃなくて、知らない女の人がいた。

「…えっと、どなたですか?」

「あたしが聞きたいわよ!!」

女の人は、怒って来た道を戻って行った。


辺りを見回しても戸野さんらしい人は見つからない。

「ねぇねぇ!…戸野さん、いなくなっちゃった。」

「はぁ!?」

「オレ探してくるわ!」

オレは、探しに行こうとした。

「あ、じゃぁ俺も行くよ。」

荒谷が言う。

「待って待って!沙知美に電話してみるから。こんな人多いんだから、またはぐれるよ!」

長谷部はそう言って、携帯を取り出して、電話をかけた。