「…尚美さん、大丈夫ですか?」

義理の母親に歩み寄ろうとした。

「あんたのせいよ!!!」

大きな声で、
怖い顔で、
わたしに怒鳴りつけた。
動きが止まってしまった。

「あんたがいなければ、こんなことになんなかったのよ!あのころに戻してよ…」


わたしだけが、血の繋がらない家族。

わたしがいなければ…


何度も思った。


尚美さんの携帯が鳴る。

金色に近いような茶髪の長い髪の毛をかきあげ、目をこすって電話に出る。

「…もしもし…あー相馬さん?…さっきも会ったのに、どうしたの?…え~泣いてないですよ!」

会話しながら、リビングのドアを開け、2階へと上がって行った。


その場に残ったわたしと千陽くん。

「千陽くん。もう大丈夫だから、自分の部屋行こっか。」

首を大きく横に振って、

「さっちゃんと一緒にいる!」

そう言った。