3枚の皿を持ち、荒谷と慎也の間に割り込んで、荒谷から箸を奪った。

「あー、俺の!」

「お前んじゃねぇだろ!みんな肉取れなくて困ってんだよ。」

慎也は、戸野が食ってないことに気付いたみたいだ。

「それ…戸野さんの分?」

「うん。食べてないみたいだったから。」

「そっか。」

「おい!それ俺がとっておいた肉なのに~」

少しデカめの肉を取る。

「戸野食べてないからいいじゃん!」

「…小和田くん、沙知美にはやさしいんだねぇ。」

長谷部は、ニヤニヤしながらこっちを見る。

「は?別に…」

慎也を見てしまった。
目が合った。
箸を荒谷に渡して、その場を後にした。