「邪魔じゃないわよぉ!」

「いや、でもさ。慎也の友達に知ってるやついねーし、いごごち悪い。…だいたい慎也から誘われてないし。」


階段から下りてくる音がする。

慎也だ。

「あれ、波!」

「おう。」

「今日、せっちゃん夜勤なんだって。だから、バーベキュー誘ったんだけど…」

おばさんが、慎也に伝える。

「なんで?来ないの??」

「…うん。いい。」

「そう言わずにおいでよ。滅多にバーベキューなんてやんないんだし。…女の子も来るよ~!」

女も来る。嫌な言葉だ。

「そうゆうんじゃねーし。」

「え~波来ないの!?…オレ一人になっちゃうじゃん。来てよ、オレのために…」

康太がゲームをやめ、そう言ってきた。

「ゲームしてりゃいいじゃん」

「ゲームばっかしないもん!ねぇねぇ…来てよぉ」

「ほら!康太だってそう言ってるし。肉、肉食べよ!!」

「んー…」

そのとき、慎也の家のインターホンが鳴る。


「あら?誰かしら。…はーい。」

おばさんは、駆足で玄関に行く。
顔は見えない。
声だけが聞こえる。