母親のいつもと違う服装。
スカートなんて履いて、少しオシャレしてる。

男に会いに行くんだ、きっと。
バカじゃないから…わかる。



「慎也くんちに行くとき、戸締まりちゃんとしてね!」

「ん。」

「じゃぁ、行ってくるから。」

玄関のドアをしめた。


夜勤って嘘ついて、そこまで好きなんだ…

バッカじゃねーの。
キモチわりぃ…



俺は慎也の家のドアを開けた。

「あら!おはよう、波ちゃん。上がって、どーぞ!」

おばさんが、洗濯物を持って通っていった。
俺は靴を脱いで、ソファに座る。

小学4年生の弟の康太もいた。

「おー、くそガキ!」

「ガキじゃないもん!」

ゲームをやっている。

おばさんが、ジュースの入ったコップをテーブルに置いた。

「でもちょうどよかったわぁ!今日バーベキューするつもりだったから。」

「バーベキュー?…珍しいね。」

「そう?慎也の友達が遊びに来るから、それでね。…何人かは泊まるみたいよ。だから慎也、部屋の掃除してる。」

「…じゃぁ、俺邪魔じゃない!?」