『慎也…俺ずっとお前のこと好きだった。』

『波…オレには、』

『わかってる…好きなヤツがいることぐらい…でも、言いたかったんだ。』

『…戸野さんのことは嘘だった。本当は、波の気を引こうと思って言ったことだった。だから、オレも…波のこと……す・き…』






「ああぁぁぁ~!!!」

変な夢を見て、俺は飛び起きた。

汗が落ちる。

「何!?驚いた。」

そばには、部屋のカーテンを開ける母親。

「……何、勝手に人の部屋入ってんだよ!」

「あんたがいつまでも起きてこないからでしょ!」

時計を見る。
針は、9時を差していた。

「まだ、9時じゃん!」

「それ壊れてる。…もう4時。」


…一日を無駄に過ごしてしまった。


「早く起きて!」

「どっか出かけんの?」

「急に夜勤を交代してほしいって、新人の子が言うもんだから。代ったの。」

「…ふ~ん。」

「夕飯どうする?お金置いて行こっか!?それとも慎也くんちで食べてくる?」

「…ん~、慎也んちで食う。」

「そう。じゃぁ、電話してくるわね。」

そう言って、部屋から出て行った。