夏休みから10日が過ぎた。

携帯電話が鳴る。
この着メロは、電話だ。

「はーい、もしもーし。」

俺は誰だかわからないのに、そう言って出た。

「小和田くん?」

…誰?

「何時だと思ってんの!?もう10時だよ!?」

この声は、

「…部長…ですか?」

「そう!!」

「え!?なんで!?」

思わず、正座になる。

「写真部!10時に動物園に集合って言ったでしょ!?みんな待ってるよ!!」

俺、聞いてねーよ…

「早く来なさいよ!!今から早く!!」

そういって、電話は切れた。

こんな暑いのに、写真部として動物園なんかに行きたくない。

でも待てよ。
写真部ってことは、アイツもいるんだ。

いじめるチャンスだ。

そう思うと、重い腰をあげ、着替え始めた。