7時


起きれた。

オレは一人で学校に行く。
誰もいない道。
なんだか、寂しい…

「…げ、雨かよ。」

予報では、曇りだったのに…最悪だ。

傘は持ってない。
降ってくる雨に打たれながら歩く。

「おはようございまぁす!」

後ろから声が聞こえる。
戸野さんだ。
長靴を履いて走ってくる。

「おはよう、戸野さん。」

「…起きれたんだね。」

「うん…奇跡的に起きれた。」

「傘…」

オレが傘をさしてないことに気付いた。

「雨降るなんて思ってなかったから。」

戸野さんは、傘の中にオレを入れる。

「え…いいよ!大丈夫。もうすぐで学校だし…」

「…そんな!濡れちゃいますよ。」

「いや、でもホント…」

「それじゃぁ、わたしも…」

そう言うと、傘を閉じようとした。

「ちょっと、そうゆうのやめてよ。」

オレは止めた。

「…どーぞ。」

戸野さんは笑って、オレを傘にいれてくれた。

「あ、ありがとう。」

こんなこと初めてだから、照れるなぁ…