「それじゃ、わたしこっちなので。」

戸野さんは、お辞儀をして歩いていった。

「戸野さん!!」

戸野さんは、振り返る。

「夏いっぱい遊ぼうね!!」

「…はい!!」

また歩いていった。

でもまだオレは、終わりたくないような気がして、

そう思ったら、すでに戸野さんの腕を掴んでいた。


戸野さんは、目を大きくして驚いていた。

「ごめん。」

手を離した。

「…送るよ。」

恥かしそうにうなづいて、それからオレたちは、何も話さず歩いた。


夕日が…

俺の赤い頬を隠してくれた。