波には、その気がなくても…戸野さんはどうだろう。

前と同じだ。
オレが好きになった人は、みんな波が好きだった。
だから、戸野さんもきっと…




7月24日、終業式。

「それじゃ、いい夏を過ごせよ。」

小峰がそう言うと、室長が号令をかけて終わった。


「戸野さん!」

オレは帰ろうとした戸野さんを止めた。

「…はい?」

「これから何か予定ある?」

「…とくにないですけど…」

「じゃぁさ、…買い物付き合ってくれない?」

「買い物?…あ~…5時までに戻れるなら大丈夫です。」

「ホントに!?」

「はい。…へへ、由貴ちゃんも呼んできますね。」

「えっ、ちょっと!違うんだ。その…二人で行きたいんだけど。」


多分、今のオレの顔はすごく赤くなってると思う。

「二人で?」

「そう。二人で。」

戸野さんは微笑みながらうなづいた。

…神様!サンキュー!!