「あのさ、波!」

「次は何?」

オレは本当は聞きたくないことを聞いてた。

「今日の放課後何してた?」

「別に何も…」

「誰かと一緒じゃかった!?」

「……もしかして、見たの?」

オレはうなづく。

「プハハハハ…あれ?言ってなかったっけ…俺、2年になってから写真部入ったんだよ。幽霊部員だったんだけど…部長が出ろってしつこくて…だから最近部活行ってたの。」

「でも、なんで戸野さんと一緒にいんだよ。」

「パートナーだよ。…2人組になって写真撮んないといけないんだって。それでクジ引いて…俺と戸野。」

「そう…なの?」

「そう!…だから心配すんなって!…だいたいアイツは俺のタイプじゃない。」

戸野…アイツ。
オレには呼べない。

「テンション低かったのは、それがあったからか!そうか、それでか。」

「だって…体育祭のとき借り人で一緒に走った人は結ばれるって、クラスの子が言ってて…」

「そんなん噂だろ。たまたま両思いで、たまたま結ばれただけだって。」

「そうかな?…そうだよな…ごめん、変なこと聞いて。」