あれから、真面目に練習なんてできなかった。
考えるのは、波と戸野さんのことばっかで…


ため息つきながら、自分の部屋の戸を開けた。


「あ、おかへり。」

せんべいを頬張り、ゲームをしている波がいた。

一瞬、ドキっとしたけど、すぐ落ちつきを取り戻した。

「…ただいま。」

「今日も飯食ってく!」

「そう…」

「なぁ、このボスどうやって倒すんだよ。」

「…それにはコツがあんの!波には無理だよ。」

「嘘だね。ぜってぇ倒してやるよ!」

「ねぇ、波…」

「ん?」

「後藤とは、まだうまくいってんの?」

「……ん。」

変な間。嫌な予感…

「最近一緒にいるとこ見ないから…」

「会ってないしね。あ…負けた…あぁ~なんだこのクソゲー!!」

波はゲームの電源を切った。