そんなことを思いながらの、体育祭。

体育祭は、波がいる黄色軍がぶっちぎりの1位だった。

ほとんどが波の活躍で…


「ねぇ、さっきの6組の人かっこよかったね!」

女の子とすれ違うたび聞く、波がかっこいーと言う話。

小学校のころから足が早かった波。足だけじゃない。スポーツ全般得意だから、いろんな部活から勧誘されていた。だけど、部活が嫌いだった波は断っていた。


「あ!波!」

波を見つける。

「100走、すごかったじゃん!」

「だろ。ってか、マジ疲れた。」

「波、種目何個でんの!?」

「ホントは2つ。けど、サボったやついて…俺が穴埋め。」

「小和田ぁ!!次、借り人!」

遠くで誰かが波を呼ぶ。

「わかった!」

「借り人もでんの?お疲れだねー。」

「死ぬかも…そんじゃ行くわ!」

「おう!頑張んなよ!」

波は苦笑いして、競技のコースに走って行った。

「あ。慎也いたいた。」

荒谷が来る。

「借り人見に行こうぜぇ!」