「…猫?」

猫が寝ていた。

ゆっくり離れようとした戸野沙知美だけど、その場でコケた。

猫は起きて、驚いて逃げた。

「いてて…」

「はは…バッカじゃねーの!!」


戸野沙知美は、ムスっとしながら起き上がる。

「ドジだ!…ドジ美だ、ドジ美!」

笑いが止まらない。

戸野は、怒ってスタスタと歩いて行く。



「沙知美ちゃーん!!小和田くーん!6時だし、部室の方閉めるよぉ!各自解散して!」

先輩が言う。

「はい!」

ドジ美は、大きく手を振った。

「…お先に失礼します。」

「…おい帰んの?」

「はい。…それじゃぁ。」

「明日、学校来んの?」

「来ますけど…何か?」

「いや、来なくていいのにと、思って…」

「来ます!!」

ヤツは、帰ろうとした。

「なんでそんな急いでんだよ!!」

「ご飯の支度があるんです!…早く帰りたいです…」