「ね!里山くんは彼女いんの!?」


掃除の時間、彼氏とか彼女とかそういう話題になって、女子に言われた。


「いや~いない…」

こういう話は苦手。嫌な思い出しかないし、経験がない。


「え~!?意外。」


女子は、口を揃えて言った。


「こいつね、恋には奥手だから彼女なんてできないの!」

「おい!荒谷、変なこと言うな!」

「だってホントのことじゃん。怒んなよ~。」

「あれ?沙知美、終わったの?」


一人の女子が、黒板を消し終えた戸野さんに話しかける。


「うん。」

「ありがと~…後はゴミ捨て!じゃんけんしよ!…ほら、男子も!」

女子が言う。みんなは輪になりジャンケンをした。

オレも…戸野さんも。