今までのことを後悔した。


多分…一番悲しませてはいけない人だった。






それから数日が立って…、寮に引っ越す日が来た。


「荷物これだけでいいの?」

「うん。ほとんどあっちにあるし、…なんか足りなくなったら電話するわ!」




ここに帰って来る日はあるだろうか。

向こうへ行ったら二度と戻って来ない。


…そんな気がした。



「おーい!…波くん。忘れ物ないか?」

そして、この人が母親の再婚相手。

二丘 徹也(ニノオカ テツヤ)さん。すごく律義な人で、頑固な父さんとはまったく正反対だった。



「ないなら、荷物預けてくるぞぉ。」

「…お願いします。」

3箱のダンボールを乗せた、二丘さんの車が出発した。