付き合いたいとかじゃないんだ。ただ、そばにいたかっただけだ。


…それだけだ。



「慎也、謝んなくていいんだ。悪かったな、こんなこと言って…」

「ううん…言ってくれてよかった。波、ありがとう。好きになってくれて…嬉しかった。」



嬉しかった。


それだけで言ってよかった気がした。




「…じゃぁ、行くわ!」

オレは慎也よりも早く立ち、その場を去ろうとした。
そんな俺に、慎也が叫んだ。


「波!!ずっと友達だよな!大学行っても会えるよな。…おまえいてくんないと、母さんうるさいんだよ!康太だって…オレだって寂しいんだぞ!!」


「大袈裟なんだよ!!…バーカ!」




もう…

自分から会うことはないだろう。



一番愛した人だから、



会いたくない。