「中学んときから好きだったんだよな。」

少し頬を赤くして言った。

「おまえ、何でもわかんだな。中学んときもそうだったし…何でもわかりますみたいのが嫌いだったんだよ!」

目が合って、初めて遠野と笑った。


別れの力はすごい。

そう、思った。



「…じゃぁ、逆に聞くわ。……慎也とこのままでいいの?」

「あー…ちゃんと話し合ったよ。だから…」

「そうじゃなくて!…ずっと思ってた気持ちあんだろ?」


驚いて何も言えない。



「知ってんだよ、俺も。…中学んときから…そうじゃないかな?って。」

「…マジ?…わかりやすい?俺?」

「いや、多分わかってるのは、俺だけだと思うけど……最初はさ、気持ち悪いとか思ってたんだけど…好きに男も女も関係ないとか思い始めた。」



意外といいやつなのかもしれない。


「ありがと。でも、慎也には言えないや!」

「…なんで?」

「遠野が思った通り、気持ち悪いと思うんだよ。俺が言われたら…同じように思う。…だから、いいんだ。」