「…何?」



「ちょっとここじゃ…廊下出ない?」

俺は、遠野に言われた通り廊下に出た。

廊下は静かだった。


「…俺が言ったんだ、慎也に。…後藤のこと。」




「…知ってるよ。」

「なんだ、知ってたのか……なんか、ごめん。」


謝った…俺を嫌いな遠野が…

「俺、小和田のこと嫌いで…嫌がらせのつもりで言ったってのもあったんだけど…後から、慎也と関係悪くなってたし…罪悪感が、あって…」

「…別に関係悪くなってないし。あれがあって、変われたこともあった。……気にしてない。」

「そっか…」

「…何で嫌がらせしたかわかるよ、俺。…多分…後藤…でしょ。」



俺は知ってる。

遠野が後藤を好きなことを。


「は!?何それ!」

急に遠野は慌てだした。

わかりやすい。