そういえば時々、あんな顔をしてたな…


波はオレをよく見てくれてるのに、オレは波のことは何も知らない。



「じゃぁ、…卒業式な!」

部屋を出る波に、手を振った。


言えてよかった…




恋が終わるのはあっけないもんだ。


自分はツラいのに、相手はそうじゃない…
3日も立てば、オレのことなんてすぐ思い出になってしまうんだから。



一緒のクラスだったことも。

一緒に買い物に行ったことも。


一緒に帰ったことも。


告白したことも…。




オレにとっては、ドキドキしたことでも…相手には届かない。


オレは、思い出しながら、また涙を流した。