「…もうすぐ卒業式ですね。」

「そ、そうだね…戸野さんは大学行くんだっけ?」

「はい!…ここからはちょっと遠いので寮に入るんですけど。」

「…寮か…」


会っていないと、会ったときにまた…好きって感情が出てくる。

前よりも強く…



「あ!…小和田くんも一緒の大学です。」





「…波も?」



胸が痛い。



「偶然同じ大学で、びっくりしちゃった。」

「……わざとじゃない?」

「わざと?…なんでですか?」

「波は戸野さんと一緒がよかったんだよ。」

「…え?」


言わなくてもいいことを口にしてしまう。

「気付かない?波は戸野さんのこと好きなんだよ。…それに、…戸野さんも波のことが…好き。」



「…何言ってるんですか?」

少し笑う。

「戸野さんも波も気付いてないだけ。」