今日の夕飯は、ハンバーガーだ。


買ってきた袋を持ち、家の近所の土手に座る。



3ヶ月も母親のご飯を食べていない。
嫌いじゃない…ただ、裏切られた気分で話す気にならないんだ。


ポケットに入ってる携帯がブーブーと鳴る。



着信は母親だ。



あたりまえ。

出ない。



そのとき、



「小和田くん!」

声がした方を振り向くと、戸野がいる。

ハンバーガーを口から離す。

「何してんの?」

走ってくるなり、転ぶ。

俺は戸野の元へとかけよった。


「あの、すぐ追いかけたんですけど、…なかなか見つからないもんですね。」

「だから、何しに来たの?」

息を整えて言った。



「…会いに。」



心臓がバクバクいって、すごく変な気持ちになった。




「お金…渡そうと思って。」

「…金?」

「はい!今日のお茶の…」



あー…昼の…



「それだけのために走って来たのかよ。」

ニコリと笑って返事をした。
その後、戸野は俺が持っていた袋を覗く。

「あ…食べる?」

「いえいえ、いいです!大丈夫!」


でも、戸野のお腹は正直。
グーと鳴る。